不安発作が来そうな時、いちばん大事なのは「止めよう」と力むことではありません。
呼吸を“整える方向”へ、そっと意識を向けること。
それだけで、波がこれ以上大きくならずに済むことがあります。
この記事でわかること
- 不安発作の症状と、「来そうな予感」が起きる理由
- 不安発作とパニック発作の違いと、考えすぎなくていい視点
- 不安発作が来そうな瞬間に、呼吸が効きやすい理由
- その場でできる、やさしい呼吸の整え方
- 「うまくできなくても大丈夫」と思える考え方
不安発作って、起きてしまった後よりも、「来そうな気配」に襲われる時間のほうが、ずっと苦しいんですよね。
急に胸の奥がざわっとして、息が浅くなって、「あ、これ…来るかもしれない」って思った瞬間、頭の中が一気に不安で埋まってしまう。
いったん収まったと思っても、しばらくすると、また同じ感覚が戻ってくる。「さっき大丈夫だったのに…」って、自分でもうんざりしてしまう。
そーだよねー、って思った人、きっと少なくないと思います。
僕自身も、発作そのものより、この“予期不安の時間”に何度も心をすり減らしてきました。
だからこの記事では、「起きてしまった後」の対処ではなく、予期不安が押し寄せてきた、その瞬間にできることに焦点を当てています。
完璧に落ち着く必要はありません。不安をゼロにしなくてもいい。
ほんの少し、波を小さくできたら、それで十分です。
※僕は医師・心理士ではありません。ここでお伝えするのは、当事者としての経験と、一般に知られている考え方を日常で使える形にまとめたものです。症状が強い・長引く・生活に支障が大きい場合は、医療機関等の専門家に相談してください。
不安発作とは?症状と「来そうな予感」の正体

不安発作という言葉を聞くと、「突然、激しい症状が出るもの」そんなイメージを持っている人も多いかもしれません。
でもね、実際に経験すると分かるんですが、不安発作って、ものすごく静かに始まることが多いんです。
いきなりドーンと来るというより、「あれ?」っていう違和感から始まる。
たとえば──
- 理由はよく分からないのに、胸の奥がざわっとする
- 気づいたら、呼吸が浅くなっている
- 頭がぼーっとして、景色が少し遠く感じる
- 「このまま悪くなるかも…」って考えが勝手に浮かぶ
そうそう、これこれ。思い当たる人、多いんじゃないでしょうか。
こうした感覚がひとつずつ重なって、気づいた時には、不安がじわじわ大きくなっている。
一般的に、こういう状態を不安発作と呼ばれることが多いです。
でも、正直に言うと、多くの人がいちばんつらいのは、この「来そうな予感」の時間なんですよね。
まだ何も起きていない。でも、体はもう緊張していて、
心の中では、「また同じことになるかもしれない」って声が響き始める。
いったん収まったと思っても、しばらくすると、また同じ感覚が戻ってくる。「あれ?さっき大丈夫だったのに…」って。
そーだよねー。この繰り返しが、ほんとに消耗する。
ここで、ひとつ大切なことがあります。
その予感は、あなたの弱さではありません。
不安発作が起きやすい時、脳は「危険かもしれない」という信号を、少し大げさに出しています。
これは、あなたを困らせようとしているわけじゃなく、守ろうとして警戒モードが強くなっているだけなんです。
つまり、あなたの体や心が壊れているわけではない。
そして実は、「来そうだ」と気づけている時点で、あなたはもう自分の変化を感じ取れている状態でもあります。
この段階で、できることはちゃんとあります。
次の章では、その中でもいちばん手前で使いやすい支点になる「呼吸」についてお話しします。
不安発作とパニック発作の違い

不安発作について調べていると、「パニック発作」という言葉も、必ずと言っていいほど目にしますよね。
で、ここでまた考え込んでしまう。「え、じゃあ自分はどっちなんだろう…?」って。
うん、そうなると思います。僕も、ここでかなり混乱しました。
まず、いちばん最初に知っておいてほしいのは、この二つは、はっきり線を引けるものではないということです。
あくまで一般的な整理としては、次のように説明されることが多いです。
- 不安発作
心配ごとや予期不安をきっかけに、不安や身体の反応がじわじわ高まっていくことが多い - パニック発作
明確なきっかけがなく、
強い恐怖や身体症状が突然・急激に出ることが多い
また、パニック発作は、短時間で一気にピークに達し、その後、少しずつ落ち着いていくことが多い、と説明されることもあります。
ただね、ここで本当に伝えたいのは、どちらに当てはめるかが重要なわけじゃないということです。
実際には、不安発作の延長線上で、パニック発作のような強い反応が出ることもありますし、その逆のこともあります。
だから、「これは不安発作?それともパニック?」と、ラベル探しに疲れてしまわなくていい。
大切なのは、今、自分の体の中で何が起きているかに、そっと気づいてあげることです。
そしてもし、あなたが「来そうだな」「ちょっと怪しいな」と、その気配を察知できているなら。
それはまだ、こちらから関われる余地が残っている段階でもあります。
そーだよねー、完全に飲み込まれてからじゃ、正直、何もできない。
でも、この手前なら。呼吸の整え方が、力になりやすいことが多い。
次の章では、なぜ「呼吸」が不安発作のいちばん手前で効きやすいのかを、できるだけ難しい話を抜きにして、お話しします。
なぜ「呼吸」が不安発作の手前で効くのか

不安発作が来そうな時、頭の中って、だいたいこんな声でいっぱいになります。
「考え方を変えなきゃ」
「落ち着かなきゃ」
「この不安、今すぐ止めなきゃ」
うん、そう思うよね。
僕もずっと、そうやって必死に頭でどうにかしようとしてました。
でもね、この段階で思考をどうにかしようとすればするほど、かえって不安が強まってしまうことがあるんです。
理由は、とてもシンプルです。
不安発作が近づいている時、脳と体はもう、「警戒モード」に入っています。
- 心拍が少し早くなる
- 体に力が入り、筋肉がこわばる
- 呼吸が浅く、速くなる
これは、
「危険かもしれない」
「今は備えたほうがいい」
そんな信号が、脳から体に送られている状態です。
ここで、ひとつ大切な視点があります。
不安は、あなたを困らせようとしているわけじゃない。
不安は、あなたを守ろうとして働いた警報みたいなものです。
ただ、その感度が少し高くなって、「今はそこまで危険じゃない場面」でも、大きな音で鳴ってしまっているだけ。
だからこの警報に対して、「うるさい!止まれ!」って、頭で説得しようとしても、正直、あまりうまくいきません。
そーだよねー。分かってるのに、止まらない。あの感じ。
そこで、役に立つのが呼吸です。
呼吸は、自律神経に直接つながっている、数少ないこちらから触れられる入口なんです。
特に、ゆっくり吐く呼吸を続けていると、体はこんなふうに受け取ります。
「あれ? 呼吸が落ち着いている」
「ということは、今は命の危険じゃないのかもしれない」
この小さな誤解が、警戒モードを少しずつ緩めてくれます。
呼吸が効くのは、あなたが強いからでも、コントロールが上手だからでもありません。
人の体が、そういう仕組みを持っているだけなんです。
だから、うまくできなくても、責めなくていい。
「整えようとしている」その姿勢そのものが、もう十分、あなたを守る行為です。
次の章では、実際に不安発作が来そうな、その瞬間に使える、できるだけシンプルで、やさしい呼吸の整え方をお伝えします。
不安発作が来そうな時にできる、やさしい呼吸の整え方

ここでは、「来そうだ…」と感じたまさにその瞬間に使える呼吸をお伝えします。
特別な道具もいりません。
正確なやり方も、覚えなくていい。
というか、うまくやろうとしなくて大丈夫です。
正直ね、不安が来てる時に「正しくやろう」なんて、無理だと思うんですよ。
僕もそうでした。だからここでは、できなかったとしても自分を責めなくていい方法だけを書きます。
まず、やらなくていいこと
- 深く吸おうとしない
- 回数や秒数を正確に数えない
- 今すぐ不安を消そうとしない
不安発作が近い時って、体はもう息を吸いすぎていることが多いんですよね。
だから、
「ちゃんとやる」より、
「少し力を抜く」方向へ向かえば、それで十分です。
ステップ① 吐くことを優先する
鼻でも口でもいいので、ため息をつくみたいに、「はぁー」と息を吐いてみてください。
吸うことは、意識しなくて大丈夫。吐けば、勝手に入ってきます。
ポイントは、吸うより、ほんの少しだけ長く吐くこと。
「ちゃんと吐けてるかな?」じゃなくて、
「あ、ちょっと緩んだかも」
それくらいの感覚があればOKです。
これだけ?って思うかもしれない。でも、まずはこれでいいんです。
ステップ② 数を数えない、自然な呼吸
一般的な呼吸法では、「何秒吸って、何秒吐く」といったように、数を数えながら行う方法が紹介されることが多いですよね。
でも、呼吸法が苦手な人ほど、「数を数えること」がプレッシャーになること、あります。
僕も、数を間違えた瞬間に、「あ、もうダメだ」って焦ってました。
だからここでは、リズムは決めません。
吐くたびに、肩やお腹が、ほんの少し下がる感じに、意識を向けてみてください。
「今、息を吐いてるな」それが分かれば、十分です。
ステップ③ 「今ここ」に戻る呼吸
不安発作が来そうな時、意識って、どうしても未来へ飛びます。
「このままどうなるんだろう」
「また同じことになったらどうしよう」
そっちに引っ張られてしまう。
そこで、呼吸に、こんな言葉をそっと添えてみてください。
吐く時に、心の中で──
「今」
吸う時に──
「ここ」
それだけで、意識がほんの少し、この場所・この時間に戻ってきます。
完璧に落ち着かなくていいんです。
不安が10 → 7になれば、それはもう、立派な変化。
「来そうな時に、これを思い出せた」その経験が、次のあなたを、ちゃんと支えてくれます。
よくある質問(Q&A)
ここでは、不安発作について、多くの人が心の中で抱えやすい疑問をまとめました。
「これって自分だけ?」
「ちゃんと対処できているのかな?」
そんな不安が浮かんだ時に、ひとりで答えを出さなくていい場所として、読んでもらえたらと思います。
正解を押しつけるためではなく、安心して、少し立ち止まるための視点です。
Q. 不安発作は病気なのでしょうか?
この疑問、たぶん多くの人が、一度は頭をよぎらせています。
不安発作という言葉は、医学的な診断名というより、強い不安反応の状態を表す一般的な呼び方として使われることが多いです。
一時的なストレスや疲労、予期不安が重なった時にも起こることがあります。
そのため、「不安発作が起きた=病気だ」と、すぐに決めつけなくて大丈夫です。
ただし、症状が強い・頻繁に続く・日常生活がかなりつらい場合は、一人で抱え込まず、医療機関などの専門家に相談する選択も、自分を守る行動のひとつです。
Q. 呼吸法で本当に不安発作は抑えられるのでしょうか?
正直に言うと、呼吸法は、不安を完全に消してしまう魔法ではありません。
でも、発作が大きくなる前に、波を小さくすることには、力を貸してくれることがあります。
特に、「来そうだな」と感じる段階で使うと、体の警戒モードを緩めるきっかけになりやすい。
実際、
「少し楽になった」
「これ以上悪くならずに済んだ」
それだけでも、十分すぎる変化です。
Q. 以前うまくいかなかったのですが、それでも意味はありますか?
あります。
呼吸って、その日の体調や緊張の度合いによって、感じ方が本当に変わるものなんです。
一度うまくいかなかったからといって、「自分には合わない」と決めてしまわなくていい。
僕自身も、呼吸法を知っていながら、「全然効かないじゃん…」と感じた日が、何度もありました。
それでも、後から振り返ると、完全に飲み込まれなかった瞬間が、少しずつ増えていたことに気づいたんです。
「思い出そうとした」
「一息だけ吐こうとした」
その行為そのものが、ちゃんと、あなたを守っています。
Q. 夜や一人の時に、不安が強くなるのはなぜですか?
これも、「自分だけおかしいのかな?」と、不安になりやすいところですよね。
夜や一人の時間は、外からの刺激が減って、意識がどうしても内側に向きやすくなります。
その結果、不安や体の感覚に注意が集中して、症状が強く感じられることがあります。
そんな時ほど、「考えすぎを止めよう」と頑張らなくていい。
呼吸や、今の体の感覚に意識を戻すだけでも、心は少しずつ、現実に戻ってきます。
情報ソース|不安発作と呼吸法に関する一次情報
ここまで読んで、「これって、ちゃんと根拠のある話なのかな」そう感じた人もいるかもしれません。
この記事でお伝えしている内容は、以下のような医療機関・心理学メディアによる一般的な知見をもとに整理しています。
- 不安発作とパニック発作の違いについて
不安発作(Anxiety attack)とパニック発作(Panic attack)は、症状の出方や強さに違いがあると説明されています。
Cleveland Clinic|Panic Attacks and Panic Disorder
Simply Psychology|Anxiety Attacks vs. Panic Attacks - 不安発作の症状と背景(原因)
息苦しさ、動悸、めまい、現実感の低下などの症状は、強い不安やストレスによる自律神経の緊張状態と関連していると考えられています。
National Institute of Mental Health(NIMH)|Anxiety Disorders
- 呼吸が不安時に有効とされる理由
呼吸は自律神経の働きに影響を与える行為のひとつで、特に「ゆっくり吐く呼吸」は、副交感神経が働きやすいと説明されています。
Harvard Health Publishing|Breath control helps quell stress
- 呼吸・グラウンディングによる対処法
呼吸や身体感覚に注意を向ける方法は、
不安時に「今ここ」に意識を戻す対処法として紹介されています。
University of Rochester Medical Center|5-4-3-2-1 Coping Technique
本記事では、これらの情報をそのまま専門用語で並べるのではなく、不安発作が「来そうな瞬間」に、思い出しやすい形に言葉を置き換えています。
なお、ここでお伝えしている内容は、一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を行うものではありません。
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不安発作と向き合っていると、「呼吸」以外にも、支えになる考え方や視点があることに気づく瞬間があります。
もし今のあなたの状態に、「これは合いそうかも」と感じるものがあれば、無理のないタイミングで、そっと覗いてみてください。
- 夜になると不安が強くなる理由と、静かにやり過ごす整え方
考えすぎやすい夜の時間帯に、心と体を休ませるための視点 - 自律神経が乱れていると感じた時にできる、やさしい整え方
緊張が抜けにくい日常で、少し楽になるための習慣 - 「来そうで怖い」予期不安との付き合い方
まだ起きていない不安に、振り回されすぎないための考え方
今は、全部読まなくても大丈夫です。
「こういう話も、どこかに置いておけるんだ」そう知っておくだけでも、心の中に支点がひとつ増えることがあります。
まとめ|来そうな時に思い出してほしいこと
不安発作が来そうな時、私たちの体と心は、もう十分すぎるほど、緊張を抱えています。
そんな状態で大切なのは、不安を消そうとしないことです。
- 不安発作は、体の警戒反応が強くなっている状態
- 「来そうな予感」に気づける段階では、まだ関われる余地がある
- 呼吸は、自律神経にそっと触れられる、やさしい入口
- 吐くことを意識するだけでも、波が小さくなることがある
完璧に落ち着かなくていいんです。
不安が10から7になったら、それはもう、十分すぎる変化。
「来そうな時に、これを思い出せた」その経験が、次のあなたを、静かに支えてくれます。
あなたは、これまで不安に振り回されながらも、ちゃんと、生きてきました。
無理に強くならなくていい。
不安を、完全になくそうとしなくていい。
これからは、自分を少しだけ、やさしく扱う選択を、できる日だけ、重ねていけばいいんです。
この記事が、「また来るかも…」と感じた瞬間に、あなたを現実に戻す、小さな支点のひとつになれたら嬉しいです。


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